Brilliant People Interview Vol.01 プロフリーダイバー篠宮龍三選手

個人戦と団体戦の違い
西村 エジプトでのフリーダイビング世界選手権、おつかれさまでした。
まずは今回参加された感想を教えてください。
篠宮 何とかメダルに食い込む戦略を立てましたが、結果は9位。思うようにいかなかった悔しさが一番大きいですね・・・。今回は最強の日本チームを編成できたとは言えないかもしれませんが、最後まで3人で気持ちを合わせて戦い切った感じは大きいです。
西村 今回は団体戦ということで、ご自分の成績以外にチームとしての成績が重要になってきますから、戦い方が個人戦とはずいぶん変わってくると思います。篠宮選手は、その中でチームを引っ張る役目だったかと思いますが、ご自分のコンディション調整と、チーム全体を見る役割の両方をやるのは難しくはなかったですか?
篠宮 両方は難しかったですね。甘く見ていた点もあったかも知れません。4月のバハマで100mを越えて104mまで到達し、8月の沖縄でも大会運営を仕切りながら100m潜れたので、エジプトでも100mは軽いはずだ!と油断が生まれたのかも知れません。あえて難しい場面にチャレンジして、少しくらいうまくいっても慢心してはいけないのだと改めて思います。
またシーズン中の疲れが抜けないまま現地入りしたため、バランスが取れていなかったかもしれません。自分の調子があまり上がっていないのに、その点にあまり向き合わず、チームの士気向上や戦略に気をとられすぎていましたね。非常に苦しい大会でした。工夫はしたつもりですが うまくいっていなかったのが実情でしょうね・・・。
西村 なるほど・・・では、個人の成績としては今回の3種目の結果はいかがでしたか?
篠宮 今回の個人の記録もやはりコンディションが落ちていたので満足いくものではありませんでした。前回の2006年のエジプト・ハルガダ世界選手権団体戦では3種目の個人成績を計算してみると2位、今回は5位となっていましたから。
西村 どの種目も悔いが残るという感じですか?コンスタントやスタティックなど、不運な部分もあったように思いますが。
篠宮 どの種目も結果を見れば納得いかないところの方が多いですが、その中でも次につながるようないい面もありました。
集中を続けることの難しさ
篠宮 まずコンスタントは海況が悪かったので無理せず引き返した点は、このスポーツの特性上あってしかるべき判断だと思います。またその中でもベストを尽くした実感はありますので次につながるはずです。
またスタティックは西村さんのマッサージがものすごく効いたおかげで、何の不安もなくスタートを迎えることが出来ました。大げさではなく7分25秒の日本記録を8分まで伸ばせるかと思うくらいでしたね。西村さんのマッサージの効果の大きさを改めて感じました。
ただやはり大会では運営の手際や周りの選手のトラブル、アクシデントがつきものです。今回は最高の状態で競技に入ることができましたが、隣の選手のブラックアウトで気が散ってしまいましたね。ここから最後の踏ん張り!という場面だったので、集中が切れてとても残念です。
西村 スタティック(水中閉息時間を競う)は競技時間も長い上に、当たり前ですが息を止めているという極限状態ですから、ちょっとしたことで集中力がそがれてしまったりするものなのですね。
→次は大会中のコンディショニングについて聞いてみました>>>
フリーダイビングとは?
アプネアとも呼ばれ、タンク等の呼吸器材を一切使わず一息でどれだけ潜れるかを競うスポーツ。イタリア、フランスを中心に、ヨーロッパでは半世紀以上前から世界記録トライアルや競技会が行われている人気スポーツで、日本ではジャック・マイヨールを題材にしたグランブルーという映画で競技が知られるようになった。
主に海での深度競技(コンスタント)とプールでの平行潜水(ダイナミック)水中息こらえ(スタティック)がある。
ジャパンアプネアソサエティAIDA JAPAN


