プロフィール

Moana blue西村(以下西村）
今日は”みみずん”ことフリーダイバーの平井美守珠選手に、エジプトで2008年９月に行われたフリーダイビング世界選手権の裏話や、モアナブルーのサポートのこと、ふだんのトレーニング方法、今後の夢など幅広くお聞きします。どうぞよろしくお願いいたします。

平井選手（以下平井）
よろしくお願いします。

夢だった世界選手権でのメダル獲得

西村 まずは、先日エジプトで行われたフリーダイビングワールドチャンピオンシップ、団体戦銅メダル、おめでとうございます！今の率直なお気持ちをお聞かせください。

平井 ありがとうございます!　今はとてもホッとしています。

西村 大会が始まるまでは緊張していたのですか？

平井 緊張というよりはとてもワクワクしていました。
今年の日本女子チームは、3人がそれぞれの種目でベストに近い数字を出すことができればメダル圏内も十分可能だということがわかっていたので、エジプト入りする前から楽しみでした。個人的には最善を尽くせるよう心身できる限りの事はしたつもりでした。無理に記録やメダルを狙うぞ！という感じでもなく、日本は最初はノーマークでしたから海外チームの反応やプレッシャーがない状態もおもしろかったですね。

西村 なるほど。やれることはやり尽くしたぞ、という充実感が今はあるのですね。

平井 そうですね。今年１年は照準をこの世界大会に合わせてきたので、夢のひとつだった世界大会でメダルをとることができて、そういう意味でホッとしています。
ただ、メダルがとれた事は結果としては良かったのですが、内容はまだまだ改善の余地が多く残っていて、今後のトレーニング方法やプランで改良しようと考えています。100％手を尽くしつきた上でのメダルではないので、そこがまたワクワクするところですね。

西村 まだまだこれから！という感じなのですね。頼もしいかぎりです。
では、大会中、印象に残っていることを教えてください。

深海魚を見ながらフリーダイビング

平井 そうですねぇ、沢山ありますが、競技前夜に肩を痛めてしまったこと。あとは他国チームから競技への抗議をうけたことですね。もうひとつは、競技中ではないのですが、水深60ｍを練習で潜っていたとき、初めて深いところで泳いでいる魚を見たことです。
いつも潜っていたときはポツンとブルーの宇宙にひとり浮かんでいるような感覚になっていたのですが、60ｍでターンをしたときに私の目の前にブリのような大きめの魚が多くいて・・・結構賑やかな雰囲気だったので、あぁ、海で潜ってたんだ！と楽しくなりました。

西村 60mでも真っ暗ではないのですか？エジプトの海は。

平井 明るかったですよ！海底の白砂もぼんやりと光を反射していて、私は魚の名前は詳しくないのですが、とにかく魚影がとても濃いです。

西村 そうなんですね。すごい世界だなぁ・・・

平井 沖縄や伊豆で潜る時は、フリーダイビングをしながら魚を見たことは今までなかったので、海にいながらも海でないような特別な空間という感覚が強かったのですが、今回はまるで水族館で潜っているような感じで水面から60ｍまでいろんな魚に出会いながら潜ることができて最高のフリーダイビングでした。また、深海で魚を見る余裕ができたということも嬉しかったですね。「あぁ、魚だぁ〜♪」みたいな。