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2010年01月28日

●出張ボディセラピーでの不思議な出来事

もう先週のことになるけれど、出張でボディセラピーをしてきた。施術した相手はヒロクマさんといって、もう数年前からのトレイルラン仲間だ。彼は去年夏、シーカヤックで転覆し、胸椎を脱臼骨折した際に脊髄を損傷し、現在下半身が麻痺状態で車いす生活を送っている。

事故の話を仲間に聞いてから、お見舞いに行こう行こうと思いながらなかなか行くことができなかった。でも、何かわたしにできることはないか?とずっとずっと考えていた。お見舞いだけではなくて、もっと力になれるようなことがないだろうか?と。骨が固定され、数ヶ月後にリハビリ病院に転院した後に、ようやくわたしはお見舞いに行くことができ、そこで思い切って退院後のマッサージケアを申し出てみた。ヒロクマさんは快く了承してくださり、だいたい月に1回程度の施術をすることを約束して別れた。

年末に病院を退院し、いよいよ実生活が始まった1月の後半にご自宅にお邪魔することになった。今のところ下半身の麻痺状態は変わっておらず、感覚がない状態だから、車椅子で当面暮らすことになる。わたしは父がもともと足が悪い上に数年前から車椅子生活なので、日本で車椅子で過ごすということの不便さはある程度わかっているつもりだ。本当にちょっとした段差、手すりの位置の違いで、入れない場所や(たとえ身障者用となっていても)使えないものも多い。

秋谷のサロンに来てもらおうにも、うちは家の玄関が30cmくらい段差があるのでその時点でアウト。マッサージベッドを彼のご自宅に持ち込ませていただいて、施術することに。


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セッティングをしてベッドに乗ってもらい、施術を始める。まずは背中から。ここは感覚があるところだから、筋膜を剥がすトリートメントなどは相当痛そうだ。リハビリ病院に入院中は、似たような理学療法もあったようだけれど、そこから約1ヶ月、下半身が動かない分、車椅子を動かす腕や肩、腰にかかる負担はおそらく相当なものなのだろう、かなりガチガチになっていた。

また、下半身はずっと座りっぱなしのためにむくみがかなり出ていた。足の甲なんかはパンパンで、皮膚を押しても戻ってこないほどになっている。感覚がないとはいえ、ちゃんと足には血も通っているしリンパも動いているのだ。けれど、筋肉がどうしても衰えてしまうため、リンパを元に戻す力が減ってしまう。ずっと足が下になる体勢のために特に戻りにくくなってしまうのだ。

というわけで、下半身はガッツリやろう、と軽いリンパドレナージュから始めて、そこからガッツリ筋肉のケアも行っていた。感覚が麻痺しているのだから、痛いという感覚は全くない。痛いだけでなく触られているという感覚もあまりないらしい。下半身がどうも振動してるな〜というので、触られていることを認識するという感じだそうだ。

神経というのは背骨(脊髄)にある中枢神経というのがまずあって、そこから枝のように末しょう神経というものが分岐している。彼の中数神経は現在胸椎12番というところで止まっていて、だからその先にある末しょう神経には情報がいかない、ということになっている。神経が麻痺しているから、そこには感覚がない、はずだ。

ところが、足を曲げてグリグリっと筋肉をマッサージしているとき、また足の甲をケアしているとき、彼の脚はまるで普通の感覚がある人のように、嫌だイヤだと逃げるのだ。
確かにその場所は痛みが大きい場所で、通常はかなり逃げる人が多い。カラダが勝手に逃げる反応する、というやつだ。でもそれって、痛いから、痛いという情報が脳に伝わって初めてカラダが逃げる反応をするのだ、とわたしは理解していた。たぶん通常の医学ではそういう理屈のはずだ。

でも、ヒロクマさんの下半身は感覚がない。当然痛みもない。なのに、麻痺がない人とまったく同じ動きをするのだ。これを反射反応といって済ませてしまってよいのだろうか?これは本当に反射なのか?いや、絶対違う・・・。

じゃあ、その動きはなんなのか?今の医学ではたぶん説明がつかないと思う。説明できたらたぶんノーベル賞ものの発見だろう。神経ではない感覚がカラダにはあって、そこから動きが発せられているのだ、今目の前に。

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からだには、筋肉や関節には感情が溜まっていて、マッサージをすることで、それらが外に出て行く。だからからだをケアすることでこころがケアされる、というような理論は、医学の世界ではまだまだ「トンデモ医学」的なものとして笑い飛ばされるだろう。同じように今回のこの症例も「神経が麻痺している人の脚が逃げるなんて」ということになるのだろう。

彼の脚がどういう仕組みで「イヤイヤ」と逃げる動きをしたのかわからない。
でも、確かに逃げる動きをした。現に逃げる脚を押さえつけて(笑)マッサージしたのだ。
痛がる人をなだめながら施術をするいつものように。

神経というのは1日1mmずつ伸びるらしい。だから、今麻痺している下半身の神経も、どこから麻痺しているのか、どこから動いているのか、そういうチェックをして少しずつケアしていけば伸びていくんだ、とハワイ島のマッサージスクールの校長、リン先生は言っていた。実際リン先生のダンナさんはそれで交通事故で立って歩けないだろうと言われていた脚を完全ではないけれど、杖も使わず歩けるところまでケアした人なのだ。

ヒロクマさんの神経が戻ってくる、感覚を取り戻す、歩けるようになる可能性はある、とわたしは信じたい。医学の世界ではないとされることが覆されることもこの世の中には多々あるから。そして本当に微々たる力ではあるけれど、施術をさせてもらうことで、少しでもその奇跡のお手伝いができたらいいなと本気で思っている。

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ヒロクマさんの症例のように、健康上の不都合のためにご来店が難しい方の出張はご相談に乗りますのでいつでもご連絡ください!

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