●選手へのトリートメント
競技が始まるころにようやく体調もよくなってきた。食欲も復活してきて夕食のビュッフェももりもり食べる。毎日ケーキバイキングかってくらいスイーツも山盛り出てくるので、最初の数日間でちょっぴりスリムになったからだが数日ですっかりまた元通りになった。。。
選手のみんなは競技前はまったくご飯を食べないし、ディープダイブで体力も使いまくるけど、私はふつーに食べて運動もしないのに夕食はみんなと同じだけ食べるので、そりゃダメだろって感じ。
今回は日本チームで希望する人には試合前日および試合直前にトリートメントを行った。マッサージベッドまでは持っていかなかったので、筋肉を深くほぐすというようなトリートメントではなく、今回は緊張をいかにほぐすか、サイナスや耳の抜けをいかによくするか、横隔膜まわりを柔らかくするか、というところにフォーカスして各選手の要望や状態にあわせて施術した。
特に試合直前は誰でも緊張したり頭に血が上ったような感じになるもの。それを鎮めるために行ったのがクレニオセイクラル（頭蓋仙骨療法）のトリートメント。これを行うと深い瞑想状態、起きているような寝ているような不思議な感覚に陥ることが多いのだけれど、これがみなさんに抜群に効果があったようで、トリートメントが終わるとみんなすっかりリラックス、呼吸も深くなってすごくいい感じだった。
通常、スポーツマッサージでは直前のワークは筋肉を刺激して、あまりリラックスしすぎないようにもっていくことが鉄則なのだけど、フリーダイビングという競技は、いかに心拍数を落とすか、リラックスしたまま競技を行えるか、というところで争うのでクラニオと相性がいいような気がする。サイナスエリアを開放するテクニックなどはもうドンピシャで効果があったようでうれしい限り。（試合直前にサイナスに雑菌が入ったからか？のどから血が出ている選手がいて、そのあたりをケアするワークを30分ほど行った。その効果がどのくらい影響したかはわからないけど、深く潜っても大丈夫で目標の深度を成功させたのだった。）
また、横隔膜まわりのトリートメント、肋間筋という呼吸をつかさどる筋肉のトリートメントなども効果があったようだし、肩関節まわりのワークもフリーダイビングと相性がいいので、試合前日などにはそのあたりのケアも行った。
一人あたり４０分から１時間、これを３人やったらもうぐったり。。。
でも、今回大会期間中ずっと試合直前のトリートメントを行ってみて確信した。私が今まで身につけてきたトリートメントは確実に効果があるということを。これはいけるぞ、という自信になった気がする。
日本チームの結果も、最終日のダイナミック（プール競技）を除けば、目標の記録をコンプリートできた人がほとんどだったし、みみずんこと平井選手の日本新記録６１mも出たし本当にうれしい限り。
マッサージって共同作業のようなものだと私は思っていて、こういういい結果がでて、私もいい施術ができたぞって思えたのは、ひとえに選手のみなさんが私を信頼して安心してからだを任せてくれたからこそ。
日本代表選手たちのからだをトリートメントさせてもらえるなんて本当に光栄だし、もしかしたら試合直前などのワークは断られることも覚悟していたのだけれど、そんなことはなくて、逆にお願いしますって言われるくらいだった。本当に選手のみなさまありがとう。感謝！
以前からこうしたスポーツの最前線を戦う人のケアに興味があって、いつかそんな機会があるといいなあと思っていた。オリンピックなどで選手に試合直前までマッサージしている姿などがテレビに映し出される度にああいう存在になりたいなと思ったし、そしてそれはほとんどにおいて外国チームの話だから、日本でももっとこうしたボディケアの必要性と重要性が認知されて、選手に受けてもらいたいと思っていた。
そういう意味で、私は今回のこの世界選手権でひとつの夢が叶ったのだ。
たまたま、お友達が代表選手になったというご縁だったけれどこれからもこのご縁を大切にしていけたらいいなあと思う。
これからフリーダイビングは競技としてもっと発展していって、世界を舞台に対等に戦える競技としてもっと広く知られていくといいな思っている。まだまだ競技人口が少ないし、スポーツとしての歴史も浅いけれど、世界のトップ10ランキングに日本選手がいる競技なんてそうそうないのだから。
コメント
AIDAの世界選手権同行お疲れ様でした。
エジプトと日本じゃ気候が違うので帰ってから体調を崩さないように気をつけてください。ボディセラピストもフリーダイビングもまだまだ日本ではマイナーな分野ですが、近い将来必ず脚光を浴びる存在になりそうですね。活躍を期待します。
Posted by: 笛吹童子 | 2006年12月17日 08:54
トリートメント効果は絶大ですよ
私もばななんのお陰で
大会前の練習から体調が崩れて
諦めていた 私なのに部門優勝できたし
その時の海の中の気分の良さは今でも忘れませんよ
日本代表達も 同じでしょう
日本においては 精神面のケアは後進国ですから ぜひとも発展して欲しい分野ですね
よろしくでーす
Posted by: 河童童子 | 2006年12月17日 15:25
お元気でお帰りになって何よりデス。
お疲れさまでした！
ワタシも10年来のお付き合いのあるスポーツトレーナーの方に診て頂いているのでその大事さが良く判ります。
競技から離れた今でも、もう身も心も任せちゃってます。まるでカウンセラーみたいに。
しばらくは、ばななんがゆっくりと癒されることができますように。
Posted by: honya-rara | 2006年12月17日 22:04
出発直前まで引越しやらナンやらで、大変だったエジプト遠征ですが、怪我なく無事に終えたのみならず、多くの収穫があったようで、ほんとによかったね☆
昨日フィギュアのGPファイナルを見たり、関連のニュースを見たりしながら、トップアスリートになればなるほど、心身のコンディショニングって常人にははかりしれないくらい大変なんだろうなーって思いました。
明日のスポーツ界をマッサージで支えるのはばななんだー☆
Posted by: ともみ | 2006年12月18日 17:33
>笛吹童子さま
お気遣いありがとうございます。
がっいきなり帰ってきたらのどがイガイガするよ～(^^;乾燥などには気をつけないとね。
それはそうと年末年始にまた帰島するの？いいなああーー私は目標来年の春！行けるといいなあ。
>河童童子さま
いつもありがとうございますー
来年1月末にまた大阪かえるんでよろしゅー。来年は私もちょっとだけフリーダイビングのトレーニングやってみようかなあと思ってマス。目標まずはCW２５ｍで！それに向けて自分のからだもメンテしないとね！
>honya-raraさま
おっhonya-raraさんは何のスポーツやってらしゃったのですか？
私はスポーツはエンジョイ派なのでまったくもって努力とか根性とか負けてなるものかとかそういう気持ちがありませんので競技者としては参加するつもりはないんですが、今回世界選手権に参加してみてなにかにひたむきになるってことは素晴らしいと思いました。なので私はマッサージという分野で一流のセラピストを目指します！！
エジプトでピラミッドパワーをもらってきたので気力は十分です。これからもがんばります！
>ともみさま
うん、エジプト到着早々バテちゃったけど、それでも本当に素晴らしい体験ができました。各国の選手やコーチ、現地のボランティアとの交流、日本代表選手たちとの熱くおバカな日々、試合前のトリートメント、すべて忘れられない経験になりそうです。既に思い出すだけでじ～んとします（笑）
明日のスポーツ界を影でモリモリ支えちゃうぞ～☆お～！
Posted by: ばななん | 2006年12月19日 00:28