ボディセラピストの毎日

だけど、旅は非日常だから、生活じゃないから、どれだけ長くても、終わるときがくる。
以前、それがどうしても嫌だった。毎日が旅だったらいいのに。次はどこに行こう？次は？次は？ってずっと考えていて、でもふと日常生活を振り返ったとき、日常が旅のようだったらいいんじゃないのかな？って気づいた。

旅と日常を分けているもの。それは、「偶然に起こるもの、予定調和じゃないこと、ワクワクする気持ち」があるかどうかじゃないかと思ったのだ。

日々の生活のなかで、毎日をルーティンワークのようにせず、たとえ毎日同じようなスケジュールだとしても、自分が好きなことをする時間、ワクワクする瞬間を少しでも多く作ることができたら、その１日は旅になる。

頬に当たる風が冷たくなってふと季節の移り変わりを肌で感じるとき、美味しいものを「おいしいね」って言いあいながら食べているとき、海を眺めているとき、新しいなにかを始めようとしているとき、朝、目覚めて深呼吸をふうっとしたとき。その瞬間、時間はキラキラと輝きはじめる。
いたって平凡なふつうの毎日でも、後から考えたら「あのときはすごく幸せだったな」って思える時間を増やしていけば、それはまさに旅そのものだ。

「小さな花のような細々としたくだらない幸せ・・・そういうものでほんとうの人生というものはできている。進学とか恋愛とか結婚とか葬式とか・・・そういった大きなことだけでできているわけではない。小さなことが毎日毎日おぼえられないほど、数えきれないほどあって、その中で小さな幸せの粒つぶを感じて、それを呼吸して魂は生きているのだと思う。」

本の中でばななさんは続ける。

「それがどんどん、けずられていっているのが悲しいのだ。
いちばん関係なく見えるし、わかりにくいし、効率も悪いし、どうでもいいことに思えることだからどんどんけずられていくことが、案外いちばん魂の栄養になるかもしれないのだ。」と。

ところで全然関係ないけど、私がばななんと名乗っているのはこのよしもとばななさんとは全くなんの関係もない。たまたまもう10年くらい前にもののはずみで自分で名付けたハンドルネーム（ってこの言い方古くてみんなわかるんだろうか）が今も流通してるだけで、あまり意味はない。黄色くて明るい感じでかわいいな〜歌もあるし！てな具合で。
でもおそらくあんまり外国で使われたくないニックネームだ。きっとよしもとばななさんが外国で受けたのも、もちろん文章が素晴らしく翻訳がよかったことが一番だけれども、この名前がインパクトありありだったのも大きいんじゃないだろうかと邪推している、、、。

「ちゃんとついてきてる？」