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2008年07月05日

●沖縄フリーダイビングカップの旅 その2

別の選手のサポートを終えたみみずんが選手船に戻ってきた。
「ばななん、そろそろウォーミングアップ行こうか〜?」と声をかけられる。
「はい」と小さく返事、そして荷物のチェック、フィン履いて、シュノーケルもって、マスクして、、、

ば「あっマスク、ちゃんとつけられてるかな?こ、、これで大丈夫??」
み「大丈夫、大丈夫だからね」
ば オロオロオロオロ、、、「えっと、ラニヤードは、、、」
み「持ってるから大丈夫だよ」

てな具合で相当挙動不審に陥っていた。心臓がどきどきしたり、そういった緊張は全然ないのに、とにかく落ち着かないのだ。他の選手の動向も気になる、、、けどなるべく気にしないようにする。

泳いで選手船に移動。競技時間が始まるまではウォーミングアップエリアと呼ばれるところで何度か潜ったり、顔をつけてシュノーケル呼吸して水に慣らしたりする。サポート役のみみずんはひたすら優しく「大丈夫だからね〜」を繰り返し繰り返し言ってくれる。昨日一緒に練習したOくんも「心配するな、絶対大丈夫だから」と声をかけてくれた。感情が高ぶっているからか、そんな一言がやたらと身にしみこんでくる。なんかみんな本当に優しいなあ〜、、、生きててよかったな〜、、、と思った。大げさっぽいけど、本当にそう思った。

ezypt_con.jpg
2006 Egypt World championship

ウォーミングアップエリアのロープにつかまって、水面上でシュノーケル呼吸を5分。海に浮かびながら呼吸をしていると、ここ数日ずっと張りつめていた気持ちが急にゆるんできて、妙に泣けてきた。「私、結構今いろいろ頑張ってるよな、、、」なーんて思い始めちゃったりして、感情の波がすごいことになってきた。全然ウォーミングアップになってない(笑)

顔を上げて、サポートみみずんに「マスクに水が入ってるのか、涙が出てるのかわかんない」とかわけのわからない報告をする。彼女は更にやさしく声をかけてくれる(既に何を言われたかは覚えていない)。そして、足を下にして耳抜きの様子をチェックするためフリーイマージョンと呼ばれる方法でゆっくり1本潜る。うん、調子はそんなに悪くないみたいだ。

今度はアタマを下にして1本かるーく潜る。
上がってきたら、あれ?気分悪い?ちょっとごめんねと言いつつ軽く嘔吐。私、もしや波酔い??
朝飲んだ野菜ジュースの味が、、、(食事中の人ごめんなさい)
「大丈夫大丈夫、調子いいねー」ひたすらやさしいサポートみみずん。マジに泣けるほど(泣いたけど)うれしいやさしいコトバ。

途中で、隣の競技エリアの選手のことが少し気になりかけたけど、なるべく見ないように、潜るカウントもずらしてもらえて、なんとか気をそらすことができた。

何度か潜行と嘔吐を繰り返し(笑)競技本番2分前。
直前になっても、意外と心臓どきどきはしなかった。ただ耳抜きのことだけ一生懸命考えてた。

10秒前、、、5、4、3、2、1 オフィシャルトップ!

競技のカウントが始まった。何度か息を大きく吸って潜行開始。
とにかく急がず、ゆっくり耳抜き重視で、、、、、。

と思っていたら、ジャックナイフをしたあと、耳抜きのことばかり考えていたらフィンを蹴るのを忘れていて(爆)数秒間5mくらいのところで静止してしまう。(とみんながあとで言ってた。10秒位止まってた?)
耳抜きが落ち着いて、さて、タグはどこだろう?と思って下をみたら(時間はそこそこ経ってたのですぐ近くにあると思い込んでいた)結構遠くにあってややビビる。
そのとき急に、「あっキックしなくちゃ」と思い出す。ようやく動き出したので水面上で見ていたみんな(ジャッジ含む)ホッと一安心(笑)

10m過ぎたところで、再度耳がヤバくなったけど、いったん顔を上げて耳抜きしたらなんとか行けそうだったので、フォームとかみてくれとかこの際関係なし!ってことで再度軽く止まってからタグをとりにもうひと蹴り。
タグをとってしまえば、10mあたりというのはかなりの浮力があるのでほぼ自動的に水面にあがってこられる。耳からキューーっていう音がしたけど、とりあえずそのまま浮上。ロープをつかんでSP。
(SP:サーフェースプロトコル=決められたやり方でジャッジに無事を知らせるサインを出すこと)
「I'm OK」

無事、ホワイトカード判定!やった〜♪
たった13mだけど、フォームもなにもかも全然ダメダメでも記録は記録。浮上してから鼻をかんだら相変わらず血まみれだったけどそれもまあいつものことだ。

こうして大会初日、海の種目が終了した。
いやあーーーーーーすごかった。自分がこんなになるなんて予想もしてなかった。精神状態が極限になるってこういうことなのかな、、とかいろいろ思った。

そして、サポートの存在とコトバがどれだけ大きいことか。
周囲の状況に左右されず、自分のパフォーマンスに集中するために必要不可欠の存在なんだ。
私は今までみんなに対してここまでの力になれていただろうか?自分にできるサポートってどんなことがあるんだろう?と非常に考えさせられる1日だった。

みみどん、マジでありがとう。泣けました。。。
そして、酔ってもないのに私のがうつってもらいゲロさせてしまって本当にごめん!爆

その3へ続く、、、

okinawacup03.jpg

コメント

緊張緊迫感が伝わってきますね。お疲れ様でした。

それで13mだったら20は行けるでしょう。充分なサポートと練習で目標に向かって頑張ってください。

>笛吹童子さま

あはは、ありがとうございます。まだ始めたばかりでフリーダイビングでの潜り方に全然慣れていないので、この結果はまあよくやったといえるのではないかと思います。

けど、本気でこれ以上の深度を目標とするなら耳とサイナス、、要するに体調管理がキモだと思っています。それはセラピストとしてもとても重要なことなので、焦らずじっくり取り組みたいと思います。

また海でご一緒したいですね〜♪今年は夏パパ行くのですか??

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